2007/11/16

ヘタレSEはWeb3.0の夢を見るか?(後編)

昔、スチャダラパーというラップグループの曲に「ヒマの過ごし方」というのがあった。
音源が今手元にないのでタイトルも歌詞もうろ覚えだが、確かこんなのだったと思う。

  暇だねーってよく言われる僕 言われると確かにそう思う
  気が付くとなんだか罪悪感 感じてる自分こそなんだ

  そもそも暇って言葉自体 まずいい意味では使われない  
  辞書で「暇」って引いてみた これもまあ暇のなせるわざ

  「暇 自由な時間 仕事や義務に拘束されない時間」
  
  確かに その人にして見れば 僕は暇に違いなかったが
  その間僕はテレビを見たり ファミコンしたり 本を読んだり 
  時間について考えたりしながら 僕は僕の暇を過ごしていた

  「そんな暇あったら」って言うが みんな暇が嫌いなのか?  
  暇はだめか? 悪いのか? そんなに嫌か? 暇が



ちょっと何か抜けてる気がするけど、まあいいや。



さて、本題に入ろうか。



今後の方針



前編では俺が鬱に至るまでの経緯を書いたので、
今回は俺が今後どうするつもりかを書いてみようと思う。

結論からいうと、実はあんま深く考えていないんですよね(笑)。

これで終わるとバカみたいなんで、もう少し詳しく書こう。
はじめに断っとくけど、働く気もあるし資格とる勉強もしてるから
少なくともニートじゃないよ?
(まぁ傍から見てると限りなくニートに近い訳だが・・・^^;)


さて、これは休職申請する際に上司にも話したんだが、
少なくとも今の職場に戻るつもりはないことだけは確かだ。
戻ったってすぐまた再発するのは目に見えているからね。

じゃあどうするか。
普通に考えられるのは配置転換か転職だ。

まず配転。
上司に相談すると「ウチの会社にはWeb系を扱う部署はない」と言われた。
正確に言えば全くない訳ではなくて、数が少ないだけなんだけどね。
ただその部門の情報を収集すると、ムチャクチャハードで離職率激高らしいから
それもちょっとなあという感じ。
従って社内に良いところはなさそうだ。

じゃあ転職。
主治医からは「鬱病の人は転職とか考えるな」と言われている。
実際、鬱の人が転職して失敗した例はゴマンとあるらしい。
だから俺もこの半年間務めて考えないようにしてきた。
(リクナビに登録だけはしといた)

でも半年経過して体調も戻ってきたし、ここらでもうそろそろ考えてもいいかな
という気分になってきた。
主治医ともそういう話をして、了承をもらった。

今にして思えば、音楽を作ったりWebサイトを立ち上げたり、水泳やテニスを始めたり
ブログを始めたりしたのも、勿論元々やりたかったというのもあるし、
肉体的・精神的にも何かやろうという気になってきたことも大きいが、
もうそろそろ何かをしないとなぁ、というやんわりとした強迫観念のようなものが
あったことも確かだ。



でも、いきなり転職活動に入る前に、「ちょっと待てよ」と
心の中で囁く声がした。



というのは。



俺の休職期間だが、会社の制度上あと1年半休める。
つまり再来年(2009年)の4月まで休めるってこと。


これは大きい。
現代人にとって最も貴重なリソースである時間がこんなに手に入ることは、
おそらく70歳近くになるまでもうないだろうから。


だから俺はこの与えられた時間を最大限有効に使わせてもらうことにした。
収入源としては会社から傷病手当金という名目で給与の80%まで支給されるので
当面食いっぱぐれる心配はない。
このあたり、福利厚生がしっかりしている会社のいいところだね。
素直に感謝。



では何をするか。

大きなところで考えているのは以下の5つだ。

 1.オープンソースプロジェクトに参加する
 2.ウェブサービスサイトを立ち上げる
 3.情報処理資格(ソフトウェア開発技術者)を取得する
 4.TOEICで700点以上取る
 5.海外旅行する

この5つだ。
これらをこの1年半以内を目標にやろうと思う。
そしてこれが俺にとっては間接的な就職活動だ。


さて、1についてだが、前編で俺の経歴を読んでくれた方にはお分かりのように
俺にはCやC++、Javaといった素養がない。だから今Cの勉強をしている。
しかし言語の勉強として一番手っ取り早いのは、実際にプログラムを書くことだ。
だから何かC系言語でオープンソースのソフトを作ろうと思っている。
具体的にはMac用の2ch専ブラでも書こうと思ってる。
詳細は追ってこのブログで報告するとしよう。

2についても同様、おれはWebサイト構築経験がない。
しかし今は個人でもWebサイトを立ち上げられる。
実際.thxとしてのサイトを建てているが、これはそのための予行演習みたいなものだ。

.thxのサイトはシンプルで静的なHTMLとCSSで記述している。
HTMLを覚えるため、テキストエディタでゼロからタグを書いていった。

今後作りたいのはユーザが参加できるサービスだ。
だからPerlやMySQLを学ぶことになる。
Ajaxなんかもトライしてみたいところだ。
サービス内容についてもアイディアはあるんだが、今はまだ明かさない。
これもその内このブログ上で報告しよう。

3,4はお勉強の話なんで割愛。
でもマジな話、英語は大事よ。これから。

まあ英語のマニュアルを読む程度の英語力ならあるが、
やはり実際ネイティブスピーカーと会話できないとね。
それに実は海外のTV番組を楽しみたいという思惑もあって(笑)。

5は実は海外は台湾しか行ったことがないんで、
ヨーロッパかアメリカに行きたいなぁと。
本当はインドやドバイなんかも行きたいんだけど
中近東の情勢を見ると危険だからね。
あ、中国は論外(笑)。



あわよくば2のウェブサイトサービスが成功して会社起こして、
それで食っていければなぁ・・・なんて夢を見てるわけだが(笑)。

まぁ、「のんびり あせらず マイペース」がモットーなので
音楽製作同様気長にやるつもり。

その経緯はここに書いていくつもりだから
まぁ興味のある酔狂な方は生暖かい目で見守って下され。


1年半後、見事成功してITmediaのトップページを飾っているか(ないない笑)、
フツーに転職してそれなりに仕事してるか(これが一番可能性大)、
粛々と元の職場に戻って粛々と従来の仕事を続けてるか(これは一番避けたい)、
食うに困って野垂れ死にしてるか(笑)、
結果は見てのお楽しみ、ということで。


江島健太郎氏の言葉を借りれば、
 ・小義を尽くす安寧より、大義に賭ける不義理に殉じたい
 ・会社のために仕事をするのではなく社会のために仕事をする

そういうふうに俺もありたいと、心の底から思う。


暇のススメ



いや、しかし最近30代の鬱が急増しているというのはニュースでもやってる通り。
そしてそのなかには技術者が多いと聞く。

もしかして俺のような境遇で鬱に陥っている人は多いんじゃないか?
そして鬱病とまではいかなくても、その予備軍になってる人はもっと多いんじゃないか?


ホントはがんがんコード書きたいのに、無能な上司の尻拭いで見積書を作ってる君!
ちっとも成長しない部下のお陰で自分の仕事が一向に進まない君!
我侭な顧客に毎日振り回されていい加減嫌気が差している君!
潜在バグだらけの既存システムの保守を丸投げされて毎晩徹夜してる君!
新しい技術にチャレンジしたいのに立場上なかなかできないで悶々としている君!


残業なんて今すぐ止めろ!
可能な限り自由な時間を持て!
なんならいっそ鬱病になっちまえ!(いや、それはそれで大変なんだけどね?)
自由な時間を手に入れろ!
君たちにこそ自由な時間が必要だ!

そして、就職氷河期で就職できず、ニートと後ろ指さされて毎日2chに入り浸ってる君!


自分が書きたいコードを書け!
立ち上げたいサービスを立ち上げろ!

Web2.0とはそれが可能になった状態を指しているのに他ならない!
そして君たちこそ、今の停滞したIT業界に風穴を開ける人なのだ!



・・・とか柄にもなくアジってしまいましたが、
これを真に受けて会社に辞表を出してその結果食うに困っても
当方は責任を持てませんので悪しからず(笑)。

それに俺が言うまでもなく、心ある技術者ならとっくに始めてると思うんだ。
人に言われなくても、とっくにね。

正直、今の20代終盤~30代のIT技術者に必要なのは「暇」だと思うのよ、マジで。
(20代前半~中盤の人たちは別。あなたたちは苦労を買ってでもしなさい)


実際、googleやYouTubeを立ち上げたのは米国の学生達だ。
なぜ学生が起業できたのか?


暇だからだ。


いや、勿論米国の大学生が日本の大学生とは比べ物にならないくらい勉強してることは承知の上よ。
それにラリー・ペイジやサーゲイ・ブリンがどれだけ優秀かも。

でも、彼らは彼らの好きに使える時間があった。
そして米国の経済環境は有能で野心的な若者に寛大だ。
だから可能だったんだ。

けど日本はそうじゃない。
日本の大学生は基本的に勉強しない。しなくても済んじゃうから。
(もちろんそうじゃない人も大勢いることは分かってますよ)
投資家だってどこの馬の骨とも分からない若造には見向きもしない。


だから一定のスキルと経済力と人脈を身につけた人たちこそ
自由な時間を持って活躍すべきなんだ。


また長くなってしまった。
最後はまたスチャダラパーの歌詞で締めよう。


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 この世の多くのでかいものの 発想自体暇の賜物
 
 地図をつくったやつのゆとり 並大抵のものではあるまい
 閏年に気づいたやつの暇さ加減を 想像してみろ
 また、かつて海の塩分を1%上げようと 何千トンもの塩を集めた男がいたとかいないとか
 (中略)
 暇人どもよ立ち上がるときだ 暇を持て 暇を知れ 暇を生き抜く強さを持て
 (後略)

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