2007/11/03

読書の秋

っていうかもう冬ですが(笑)、文化の日らしく文芸のお話でも。
今回は先のMiAUの話とも関連して、インターネット時代における
著作権について考えるよいテキストを2冊ご紹介しましょう。

「インターネットの法と慣習」白田秀彰著

まずは白田秀彰氏による「インターネットの法と慣習」。ソフトバンク新書刊行。735円。

インターネット時代における著作権のあり方について考える前に、
そも法とは何か、日本の法の成り立ちと立ち位置はどうか、日本と諸外国における
法のありかたの違いはなにか、を軽妙にして簡潔明瞭な文章で説明してくれます。

その上で、「ネット社会における法(モラル)確立のためには、実名での活動が
必要なんじゃないか」と問いかけます。

このあたり、納得はいくものの今ひとつ実行に踏み切れないチキンな私ですが(笑)、
その論説自体は説得力がありますし、考えさせられます。

法の問題はゆくゆくは我々の生活に直接かかわってきますので、
その法について、もうそろそろ真面目に考えないとヤバいんじゃない?
と問いかけてくれる、法について考えるに際しての入門書として良い本です。


「CODE インターネットの合法・違法・プライバシー」L・レッシグ著

次にローレンス・レッシグ著、山形浩生・柏木亮二訳による「CODE インターネットの合法・違法・プライバシー」。翔泳社刊、2940円。

ローレンス・レッシグ氏は米憲法学者で、スタンフォード大学ロースクール教授。
そしてCreativeCommonsの提唱者でもあります。

本書は、インターネット社会においては法はアーキテクチャ(設計)に依存すること、
そのアーキテクチャが一部の権利者によって不当に強化されつつあること、そして
インターネット社会における自由を守るために我々にできることは何か、を
示唆している、大変読み応えのある著書です。

氏が凄いのは、学者として実に知的で論理的な話を展開しつつ、
それを具体的にCCという形で実行している、というところ。
それだけ問題が喫緊の課題である、ということを示しているとも言えます。

正直、私が音楽活動を再開したのも、この本に感銘を受けたからという部分も
少なからずあったりします。
まぁそれはあまり関係ない話ですが(笑)。

氏の著書は他にもありますが、それはまた別の機会に。
あとこのCODEについては、その後加筆修正されたものがCODE2.0としてインターネット上で
PDFで氏により配布されています。
英語力に自信のある方はどうぞ。



ここに挙げた2冊は著作権のみならず、インターネット時代における自由の確立について
考える良いテキストになると思います。
興味のある方は是非ご一読下さい。

最後に、レッシグ氏の言葉を借りて締めましょう。


「あなたが、あなたの自由のために闘わないならば、あなたはその自由に値しない」


ではー。

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