2007/09/12

覚書:サービス part2

まず、今の携帯電話・PHSの通信速度は遅すぎます。
WillcomのAIR-EDGEですら現在最大408Kbpsです。3G携帯でもせいぜい1Mbps程度でしょう。
今のコンテンツはどんどんブロードバンド寄りになっているので
ノートPC+携帯・PHSでは非常に使いづらいのです。
これは私が普段ノートPCを持ち歩いてモバイルすることが
多いから特に感じることかもしれませんが、
同じような思いを抱いている方も多いのではないでしょうか。

次に国社会のネットワーク市場介入ですが、
なにも国が直接運営にあたる必要はありません。
逆に国にはそのようなノウハウはないでしょうから
実際の運営管理はNTTやKDDIなどの既存の通信業者か、
あるいは新しい通信会社を設立したっていい筈です。
その方が効率も良いでしょう。

そしてその結果淘汰される企業もでてくるかもしれません。
しかし、通信プロバイダとはいえ一民間企業である以上、
常に倒産というリスクは抱えているわけですし、
逆にそのような緊張感がないと市場原理も働きません。

ただ、このような大規模インフラの整備を一般の民間企業にのみ任せるのは
企業にとってもリスクが大きくてやりづらいのではないかと思います。
目先のメリットも見えにくいのでなおさらです。

だからまず経済産業省など国が積極的に舵をとり、
民間を巻き込んで実行する必要があると思うのです。

これは米国の例ですが、サンフランシスコでは
EarthLink社とGoogle社が共同で市内全域をカバーする無線LAN
(無料・有料混在)に入札しています。
(日経BPnet 2006年3月7日の記事「米国の大都市は、無線LANサービスの提供に夢中」)
このように柔軟な取り組みがあってしかるべきと思います。


ではなぜそうする必要があるのか?


繰り返しになりますが、
「そのほうが利用者にとって便利になるから」
の一言に尽きます。


今、あらゆるサービスがインターネット上で行われています。
通信・配信のみならず電子決済、株取引、航空機予約、商品管理、営業支援etc...
こまめにメールをチェックしなければ仕事にならない人もいます。
またGoogleなどはフリーのオフィススイートを
インターネット上に無料で提供しようとしていまし、
デスクトップやデータを丸ごとWeb上に保存してどこからでも
アクセスできるようなサービスを提供する企業も現れています。
(ITpro 2007年9月12日の記事「外出先でもオンラインでデスクトップを再現,AJAXベースのサービス「ajaxWindows」」)

このようにインターネットが社会的基盤技術として
日々存在感を増す中では、まずネットワークに繋がることが大前提となってきます。
逆に言えばネットワークに繋がらないとお話にならない、ということです。


利用者は常に利便性を求めます。
これまでもそうして利便性を追求した結果、
インターネットはここまで成長してきました。

これからもより便利に、そして安全にネットワークを
利用するためには、一人でも多くの人に開かれた
利用しやすいネットワークを構築する必要があると考えます。
利用する人が多ければ多いほど、サービス品質は向上します。
「伽藍とバザール」で有名なエリック・S・レイモンド氏の言葉を借りれば、
「目玉の数さえ十分であれば、どんなバグでも深刻ではない
 (Given enough eyeballs, all bugs are shallow.)」
ということです。

そのためには、小規模で閉じられた実験的ネットワークでは効果が薄いと考えます。
GoogleやYouTubeが成功したのは、まさにその利用者の多さ・間口の広さに
拠るところが大きいと思います。

そしてこのような大規模・公共的なネットワークを構築するためには
個人や民間企業だけの力では到底足りません。
まずは国がしっかりとした計画と数値目標をたて、
それに沿って地方自治体と民間企業を巻き込んで
計画的に推進していく必要があると考えます。

そうしてはじめて、利用者にとって使いやすく
便利なネットワークが構築できると思います。

そしてその時忘れてはならないのは
「ネットワークは安全に利用できなければならない」
ということです。

次回はこの辺を考えてみたいと思います。

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