2007/12/27

MiAU主催緊急シンポジウム「ダウンロード違法化の是非を問う」

昨日行ってきた訳ですが。

まず冒頭、AV機器評論家の小寺信良氏からもあった通り、
「ダウンロード違法化反対派ばかりの集まりになってしまったので
 討論の面白みはないかもしれない」
のはその通りなので、ここでは触れません。

さて、前回ちょこっと触れた
「現在俺が一番気にしている事」からいくと、それは
「ネットユーザとそうでない一般の人との意識が乖離していること」
です。

これは今回のダウンロード違法化に限らず、
今後のネット関連の法案検討過程において
非常に重要な問題になってくると思ってます。

それは、ネットが過去のような一部のマニアのためのものでなく、
今や生活のあらゆる部分に入り込む重要な社会的インフラとなり、
今後益々その方向で発展していくことが予想されるからです。


で、とりあえず今回のDL違法化の件については小寺氏から

「ダウンロード違法化」は、ネットに詳しくない人にとっては問題点が見えにくい。
「確かに、違法コピーのダウンロードを違法化するのは当然、といわれると分かりやすく、そこで思考停止してしまう。
問題点が分からない、という人も多い。
ダウンロード違法化の立場からも、キャッチフレーズのようなものを作って、
分かりやすい発信をしていく必要があるだろう」

(2007/12/26 ITmedia「『ダウンロード違法化』阻止、まだチャンスある」――MIAUがシンポジウム)

、さらには今後の予定として積極的なロビー活動や中間法人の設立等の話も聞けたので
すこし安心しました。

ネットユーザとそうでない人(こっちのほうがまだ圧倒的に多い)の
意識の溝を埋めていくのが直近の課題ではないかと思います。


ところで今回特に面白かったのは上武大学院経営管理研究科教授である池田信夫氏のスピーチでした。

ポイントは3点。

1.ファイル共有の経済的不利益が定量的に立証されていないこと

 費用:音楽家とレコード会社の機会損失(C)
 便益:音楽家とレコード会社の宣伝効果(B)
  +消費者の効用(U) とすると、
 
 経済的不利益を主張するならば
  C > B + U
 であることを証明しなければならない訳ですが、
 Oberholzer-Gee and Strumpf(2007)の論文より
 損失(C)と効果(B)はほぼ同じであることが証明されており、
 Uの分がネットの便益になっていることが挙げられます。

 その上で、「今回の議論の根本前提自体が狂っているのではないか」と指摘します。


2.違法化による日本経済へのマイナス効果

 企業はコンプライアンスを重視することで違法の可能性のあるサイトは一律禁止するでしょう。
 厳密に適用すればwww自体も禁止されかねません。
 また、個人の私的複製を監視することができるようになったり
 萎縮効果が実際の損害よりはるかに大きく(例:現状googleなどの検索サーバは日本に置けない)、
 日本経済へのダメージは数兆円規模になると予想されると指摘します。


3.文化庁の暴走

 そもそも総務省も経済産業省も「放送と通信の区別をIP化によりなくす」方向で動いているのに、
 どちらかというと霞ヶ関内でも孤立気味の文化庁だけが「放送」という枠内で強権を振るっていること、
 その強権の根源が外圧(かつてのIBMの残滓)にあることを指摘。
 これは初めて聞けた話なので非常に興味深く、場内も時に笑いが起こる程盛況でした。


上記の事は今回のダウンロード違法化という話のそもそもの根幹に関わる話なので、
今後もネットだけでなく、TVや新聞など、ネットユーザでない一般の人たちに
リーチする形でアピールしていく必要があると思います。


さて、それでも一方で私的録音録画補償金やDRM、ダビング10等
主にビジネス面で考えなければいけない事もある訳ですが、
その辺についてはまたの機会とします。
正直最近思い直すことも多々あるので・・・。



ところで。


この手の問題について考えていくと、
結局のところ以下の2つの根源的な疑問が浮かんできます。

それは、
「人はなぜ創作活動をするのか?」ということと、
「人はなぜ他人の創作物に対して対価を支払うのか?」
ということ。

この辺についてもまた別の機会にしましょう。
(あぁっ、また知恵熱が・・・)

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